映画「いけちゃんとぼく」「いけちゃんとぼく」の映画を観てきました。観客は6人ほどしかいませんでした。ちょっと寂しい感じがしました。
前回絵本の紹介をしました。今回は絵本を実写化したものの話です。
絵本は初めて読んだ時はうるうるもしましたが、毎日読んでいると感動も覚めます。そんなときに映画を観ました。
映画が始まって15分、ものすごく絵本を忠実に再現しているのが分かります。セリフもほとんど同じで、逆に詳しく説明している部分もあって親切でした。が、絵本を読んでいる人にはなにか物足りない印象がありました。
このまま絵本を再現が続くのかな〜って思ったら、絵本に出てこないキャラが出てきて、いつのまにかサブストーリーに突入、このサブストーリーが絵本以上に感動させてくれました。
そして配役。子供ってすごい。泣かせてくれます。なんとなく雰囲気が「20世紀少年」に似てました。時代がかぶっているからでしょうか。
いけちゃんは実在するらしいです。実在するといってもしゃべったり飛んだりするわけではありません。作者の西原さんの息子さんにとっては実在するようです。
息子さんのランドセルの背中側にいけちゃんが書いてあったそうです。もちろん絵本が存在する前に。
西原さんが息子さんに「これはなに?」って聞いたら「いけちゃん」って答えたそうです。
もともといけちゃんは息子さんの世界の話だったようです。
心も体もちょっと弱めの子が、学校に行くのに背中を押してくれる人が欲しくて作った擬似的生物みたいです。だからランドセルの背中らしい。そこまで考えて描いたかどうかは分かりませんが。
その話を聞いてストーリーをつけて世に送り出したのは、お母さんである西原さんだったのです。
普通の親はたぶん子供を強くしよう、負けない子に育てようなんて考えると思います。こんな落書きなんてなくてもって考えますよね。
でも、西原さんはあえて絵本にしたんです。面白いと思ったのです。心の深さを感じますね。強いところも弱いところも全てひっくるめて「息子」なんだと思います。弱いところも正面から見てあげる、認めてあげるところが懐の深さを感じさせます。
たぶんいじめられっ子って、自分の心を守るために人生にサブストーリーを作るのかなって思います。そのまま現実を受け入れたら壊れてしまうから、そうならないよう想像上の人物や動物、友達などを想像し、実際に存在するかのような錯覚を起こすのかなと思います。いつか悪いやつらをやっつけてくれる見方が存在するのでしょう。その見方が見えなくなった時、心が壊れるのかもしれません。
それを知ったときの親はどうやって対処するのでしょうか。いけちゃんに出てくる「よしおくん」に誰もがなれるわけではありません。
絵本を読んだだけでは感じられない感情が、映画を観ることによって湧いてきます。絵本では知り得ない子供心を知ることもできます。
「ベストハウス」という番組で「泣ける絵本第1位」になっていたから観た人も多いと思いますが、そこから離れて小さな子供が大人になる過程の、ほんの一時期のサイドストーリーとして観ても楽しいと思います。
監督さんは「ドラえもんが未来に帰った時ののび太」を考えて作ったそうです。私にもその気持ちは伝わりました。
絵本をリアルに描写しただけの映画ではありません。子供が大人になるために何をしたかが描かれた作品です。お時間がありましたら観てください。タオル持参で。私は泣いてしまいました。
映画が終わって主題歌がスタッフロールといっしょに流れます。その歌が渡辺美里さんだったので、歌の内容に関係なく、そこでも泣いてしまいました。美里さんの歌は青春時代一番多く聞いた歌なのです。ずるいって思いました。